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介護保険について


介護保険とは

介護保険は、平成12年4月に施行された「介護保険法」により誕生した公的な社会保険制度です。 この制度は、高齢化社会の到来に伴う核家族化の進行等によって介護をおこなう家族の負担が増す中、「高齢者を社会全体で支える」という理念から設けられました。 高齢者が自立した日常生活を営むことができるようにサポートする「自立支援」、利用者が様々なメニューから選択して介護サービスを受ける「利用者本位」、原則として40歳以上の人すべてが負担する保険料と国や都道府県、市町村の税金によって介護サービスを受ける「社会保険方式」の3つの特徴を持っています。

具体的に、介護保険サービスを受けられる方は下記の通りです。 介護保険サービスを受けるためには、要介護(要支援)の認定を受ける必要があります。
介護保険サービスの対象となる方
賃料(個室) 賃料(個室)
65歳以上の方 40歳以上65歳未満の健康保険に加入している方
・要支援1・2
・要介護1・2・3・4・5
の認定を受けた方
特定疾病(※)の認定を受けた方
※特定疾病について
特定疾病について
1. がん【がん末期】(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
2. 関節リウマチ
3. 筋萎縮性側索硬化症
4. 後縦靱帯骨化症
5. 骨折を伴う骨粗鬆症
6. 初老期における認知症
7. 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
8. 脊髄小脳変性症
9. 脊柱管狭窄症
10. 早老症
11. 多系統萎縮症
12. 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
13. 脳血管疾患
14. 閉塞性動脈硬化症
15. 慢性閉塞性肺疾患
16. 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

介護保険で提供されるサービス形態は、次の7つに大別されます。
訪問型 ホームヘルパー等の介護事業者に居宅へ訪問してもらい、身体介護・居宅介護支援・入浴介護などといった訪問介護サービスや看護師等による訪問看護サービスを受ける
通所型 介護事業者が運営する施設等に送迎してもらい、日帰りでその施設内で介護・リハビリテーション・レクリエーション・入浴介護などを利用する
短期滞在型 介護事業者が運営する施設を短期間(1日単位30日以内等)で利用し、介護・リハビリテーション・レクリエーション・入浴介護などを利用する
施設入居型 有料老人ホームやサービス付高齢者住宅などに入居し生活を営み、施設が提供可能な介護サービスの提供を受ける。施設で提供していないサービスについては外部の事業者のサービスを利用する
介護保険施設型 特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型医療施設・介護医療院へ入居して各施設の介護・医療サービスを受ける
地域密着型 市区町村によって指定された事業者が行うサービスで、定期巡回・随時対応型訪問介護看護・認知症高齢者グループホームなどがあり、その地域に居住する住民が受けられる
その他 福祉用具の貸与や生活支援サービス、介護予防に関する指導など

介護保険は、40歳を過ぎると介護の必要がなくとも保険料を納付する義務があります。 今後高齢化が加速する見通しの中、保険料負担は増えることはあっても減ることはないでしょう。 とはいえ、誰しも加齢による肉体的・精神的衰えは避けて通れません。 自分のことはもちろんとして、父親・母親・祖父・祖母等「いつ介護が必要になるのか」予想もできません。 そして同様に「子どもや孫に介護で負担をかけたくない」という思いも抱くのではないでしょうか。
自力で介護をしようとしても限界があります。 いつか「介護」という問題に直面したときに、介護保険制度は解決策とはならずとも備えとして一助になるでしょう。 肉体的・精神的・金銭的負担を軽減させるため、提供されるサービスの内容などに関心を持ちながら上手に利用したいですね。

参考
厚生労働省:介護保険制度の概要「介護保険とは」
厚生労働省:介護事業者・生活関連情報検索 介護サービス情報公開システム「介護保険とは」
厚生労働省:特定疾病の選定基準の考え方

介護保険の仕組み

介護保険は、40歳以上の人が納める介護保険料と国・都道府県・市町村が一定の割合で負担する税金を財源として、様々な介護サービスを提供する制度です。
介護サービスを利用すると、利用者は自己負担割合1割(※一定所得以上の方は2割)をサービス事業者へ支払います。残りの9割(※一定所得以上の方は8割)は、保険者となる市町村から介護サービス事業者へ支払われる仕組みです。 なお、平成30年8月からは、従来の原則1割負担・一定所得以上の方の2割負担に加えて、さらに所得の多い方を対象とした3割負担の仕組みが新たに導入される予定です。
介護を受ける方の収入から公的年金控除や給与所得控除、必要経費などを差し引いたあとの金額で、基礎控除や人的控除等を差し引く前の「合計所得額160万円/年(年金収入等280万円以上に相当)以上」の方は、介護保険サービスの自己負担割合2割となります。 なお、単身で年金収入のみの方は「合計所得額280万円以上」で2割負担となります。さらに平成30年8月より、「合計所得額220万円/年(年金収入等340万円以上に相当)以上」の方は、3割負担になる予定です。
基本的な介護保険の仕組み(イメージ図) 負担割合については、介護認定を受けた人全員に交付される「介護保険負担割合証」で確認できます(既に介護認定を受けている方は、毎年7月頃にお住まいの市区町村から交付されます)。
介護保険に加入する人は、年齢により加入区分が異なります。
65歳以上の方が対象となる「第1号被保険者」と40歳以上65歳未満の方が対象となる「第2号被保険者」の二つです。
65歳以上の第1号被保険者が納める保険料は、厚生労働省基準ではその方の所得に応じて第1段階から第9段階に区分しています。
介護保険の保険者となる市区町村は、この厚生労働省基準を目安にしながら、所得水準(保険料負担能力)に合わせて9段階を超え多段階に区分(例えば15段階等)しているところが多いようです。
この区分に応じて保険料を算出する際に用いられる料率が設けられており、厚生労働省基準では、下限料率0.5(公費軽減措置適用0.45)から最大1.7とされています。
しかしながら、下限料率はほとんどの市区町村で変わらないものの、上限は2.0を超える料率を定めているところが多いようです。この料率に市区町村ごとに定められている保険料基準額を掛けて年間保険料を算出します。
例)第1号被保険者(65歳以上の方)の介護保険料額(平成30~32年度)
東京都大田区 基準額72,000円×負担割合の料率(17段階:0.45~3.4)=年間保険料
東京都北区  基準額73,400円×負担割合の料率(16段階:0.45~3.5)=年間保険料
東京都八王子市基準額64,900円×負担割合の料率(14段階:0.3~2.65)=年間保険料
北海道札幌市 基準額69,275円×負担割合の料率(13段階:0.45~2.3)=年間保険料
岡山県岡山市 基準額73,920円×負担割合の料率(12段階:0.45~2.5)=年間保険料

40歳以上65歳未満の方が加入する第2号被保険者の保険料は、加入している健康保険や標準報酬月額により異なります。
例えば、全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)に加入している方は、都道府県によって異なります。 東京都を例に見てみると、給料から算出される標準報酬月額に11.47%(健康保険料+介護保険料)を掛け、その求められた保険料の半分を会社が負担し、残りの半分を本人負担分として給料から天引きされる形で納付します。 自営業者などが加入する国民健康保険の場合には、所得割・資産割・被保険者均等割・世帯別均等割の中から、市区町村ごとに組み合わせを決めて世帯ごとの年間保険料を算出し世帯主が納付します。
第1号・第2号被保険者のいずれにとっても、保険料負担は「重くのし掛かる」と感じることもあると思います。 しかしながら、介護保険制度が社会全体で支え合う仕組みである以上、介護状態に応じて一定程度の介護保険サービスを受ける「受益」と「負担」を伴う保険料支払いは、制度を維持するためには避けて通れないのではないでしょうか。
介護保険の仕組み

参考
厚生労働省:介護保険制度の仕組み
厚生労働省:1.介護保険制度の見直しについてP30
厚生労働省:介護保険の保険料(第1号被保険者)
東京都大田区:介護保険料
東京都北区:介護保険料の決め方
東京都八王子市:介護保険料の決め方と納め方
北海道札幌市:65歳以上の方(第1号被保険者)の保険料
岡山県岡山市:介護保険料額について
協会けんぽ:平成30年4月分からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
知るぽると:介護保険の基礎知識 地域の「国民健康保険」に加入していている人など

要介護認定の区分について

介護保険を使って介護保険サービスを受けようとする場合には、それぞれの市区町村で所定の介護認定手続きを行い、「要介護」または「要支援」の認定を受ける必要があります。
要介護とは、身体や精神に障害などがあり、入浴や排泄、食事などの日常生活に支障があるため、常に介護を受ける必要がある状態のことを指します(介護保険法第7条)。 要介護認定の区分は、要介護者の方の状態に応じて、相対的に介護の必要度が低いとされる「要介護1」から介護の必要性の高さに応じて区分が変わり、最も介護の必要性が高いとされる「要介護5」までの5つに分かれています。
一方の「要支援」は、身体機能の衰えや精神障害などの症状を軽減または緩やかに抑えるという予防的な意味合いから、「要支援1」と「要支援2」のいずれかに区分されます。
状態の区分 目安
要支援1 ①掃除や身の回りの世話の一部に何らかの介助が必要
②立ち上がりや片足での立位など複雑な動作に何らかの支えを必要とすることがある
③排泄や食事はほとんど一人でできる
要支援2 ①身だしなみや掃除などの身の回りの世話に何らかの介助が必要
②立ち上がりや片足での立位など複雑な動作に何らかの支えを必要とする
③歩行や両足での立位保持などの移動の動作に何らかの支えを必要とすることがある
④排泄や食事はほとんど一人でできる
要介護1 ①~④は、要支援2と同じ状態
⑤問題行動や理解低下がみられることがある
要介護2 ①身だしなみや掃除などの身の回りの世話全般に何らかの介助が必要
②立ち上がりや片足での立位など複雑な動作に何らかの支えを必要とする
③歩行や両足での立位保持などの移動の動作に何らかの支えを必要とする
④排泄や食事に何らかの介助が必要になることがある
⑤問題行動や理解低下がみられることがある
要介護3 ①身だしなみや掃除などの身の回りの世話が自分でできない
②立ち上がりや片足での立位など複雑な動作が自分でできない
③歩行や両足での立位保持などの移動の動作が自分でできないことがある
④排泄が自分ひとりでできない
⑤いくつかの問題行動や全般的な理解低下がみられることがある
要介護4 ①身だしなみや掃除などの身の回りの世話がほとんどできない
②立ち上がりや片足での立位など複雑な動作がほとんどできない
③歩行や両足での立位保持などの移動の動作が自分ひとりではできない
④排泄がほとんどでできない
⑤多くの問題行動や全般的な理解低下がみられることがある
要介護5 ①身だしなみや掃除などの身の回りの世話がほとんどできない
②立ち上がりや片足での立位など複雑な動作がほとんどできない
③歩行や両足での立位保持などの移動の動作がほとんどできない
④排泄や食事がほとんどでできない
⑤多くの問題行動や全般的な理解低下がみられることがある
上記は、あくまでも一般的な目安です。 実際の介護認定では、市区町村がケアマネージャーなどに委託して実施する認定調査結果と主治医の意見書をもとに一次判定をおこない、さらに介護認定審査会による二次審査を経て要支援1・2、要介護1・2・3・4・5の区分で判定されます。 この判定は、申請をすれば必ず認定されるわけではなく、介護の必要性が「低い」という判定になれば「非認定」となる場合もあります。
要介護の認定を受けたあと、介護保険サービスを提供している施設に入居する場合には、要介護、要支援の区分に応じたケアプランをケアマネージャーと相談しながら作成し、そのプランに基づき自己負担割合1割(高所得者2割・3割(※))でサービスの提供を受けることができるようになります。
居宅で介護保険を使って介護保健サービスを受ける場合には、ケアマネージャーと相談して介護サービスメニューを選択しながらケアプランを作成しましょう。 なお、要支援認定のケアプランは、原則として市区町村が運営する地域包括支援センターに作成の依頼をする必要があります。 詳しくは、市区町村役場またはお近くの地域包括支援センターに相談してみましょう。
居宅の場合、介護保険の自己負担割合1割(高所得者2割・3割(※))の適用範囲は、要介護・要支援の区分により予め決められている支給限度額があります。 その限度額を超えると、超えた分は全額自己負担となります。
また、ケアプランにない介護・生活援助サービスを受ける場合も全額自己負担となります。
居宅介護(介護予防)サービスの限度額
居宅介護(介護予防)
サービスの限度額
要支援1 5.7万円程度 要支援2 11.9万円程度
要介護1 19.0万円程度 要介護2 22.4万円程度
要介護3 30.7万円程度 要介護4 35.1万円程度
要介護5 41.1万円程度
上記の限度額は、東京23区内に適用されるケースです。(平成30年4月現在) 限度額は、地域によって差があります。 支給限度額内で実際に使った額の1割(高所得者2割・3割(※))が自己負担となります。
例)要介護3 介護サービス利用額(月額)が25万円であったと仮定した場合、自己負担額(1割負担)は、25,000円となります。
※介護保険3割負担は、平成30年8月より施行予定

参考
厚生労働省:要介護認定はどのように行われるか
静岡県静岡市:要介護度別の状態区分
東京都杉並区:介護保険で利用できる額には上限があります

介護保険で受けれられるサービス

介護サービスは、都道府県等が指定・監督を行うものと市区町村が指定・監督を行うものに分かれます。そして、それぞれに「介護給付を行うサービス(要介護1~5)」と「予防給付を行うサービス(要支援1・2)」があります。
次から順番に見ていきましょう。

都道府県・政令市・中核市が指定・監督を行う介護・予防給付サービス

介護保険で受けれられるサービス
居宅介護サービス
訪問サービス
●訪問介護(ホームヘルプサービス)
ホームヘルパー等が、居宅を訪問して身体介護と生活援助を行う
身体介護食事・排泄・入浴・更衣などの介助、通院・外出の介助、その他
生活援助調理・配膳・洗濯・清掃・買物代行・薬の受け取り、その他
●訪問入浴介護
一人で入浴が困難な方への介助(自宅の浴槽・簡易型浴槽など)
●訪問看護
看護師等が、居宅を訪問して健康チェックや治療のための看護を行う
健康チェック体重・血圧・脈拍・体温チェック
治療のための看護注射・点滴・採血・たんの吸引・その他の看護行為
●訪問リハビリテーション
理学療養士等が、居宅を訪問して利用者の身体機能の維持・回復・自立を補助する
筋力・体力の維持、歩行練習、寝返り・起き上がりの訓練など
●居宅療養管理指導
通院が困難な方を対象に、医師・看護師・薬剤師等が居宅を訪問して健康管理や指導を行う
●特定施設入居者生活介護
介護保険上の分類では、有料老人ホームやケアハウス(軽費老人ホーム)等は「特定施設」という位置付けになり、そこで受けるサービスは、居宅介護に分類される。特定施設では、要介護の方に身体介護や日常生活援助等の支援を行う
●介護予防特定施設入居者生活介護
上述「特定施設入居者生活介護」と同様、介護保険上の分類では有料老人ホームやケアハウス(軽費老人ホーム)等は「特定施設」という位置付けになり、そこで受けるサービスは、居宅介護に分類される。特定施設では、要支援の方に身体介護や日常生活援助等の支援を行う
●福祉用具貸与
車椅子や電動ベッド、床ずれ防止用具等の貸与
通所サービス
●通所介護(デイサービス)
介護施設を日帰りで利用し、居宅から施設までの送迎、食事、入浴、レクリエーション、健康チェックなどを行う
●通所リハビリテーション
介護老人保健施設や医療機関等において、日常生活の自立を補助するために理学療法など必要なリハビリテーションを行い、利用者の身体機能の維持・回復を図る
短期入所サービス
●短期入所生活介護(ショートステイ)
数日から1週間程度(介護保険適用の場合は最長30日間)の短期間、利用者に特別養護老人ホーム等の高齢者向け施設に入居してもらい、食事・入浴・その他の生活介護や機能回復訓練などを行う。おもに家族の負担軽減を図るためのサービス
●短期入所療養介護
数日から1週間程度(介護保険適用の場合は最長30日間)の短期間、利用者に介護老人保健施設等の高齢者向け医療ケアを行う施設に入居してもらい、医師などによるリハビリテーションや医療サービス、生活介護などを行う。おもに家族の負担軽減を図るためのサービス
施設サービス
●介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
身体上又は精神上著しい障害があるため常時介護を必要とし、かつ、居宅においても常時介護を受けることが困難な高齢者に対して、入所サービスを提供する施設。65歳以上で要介護の方(要介護3以上)が対象
●介護老人保健施設(老健)
在宅復帰を目指して、看護、医学的管理下での介護、機能訓練等の必要な医療、日常生活上の世話を行うことを目的とした施設。要介護の方(要介護1以上)が対象
●介護療養型医療施設
主に病院や診療所などの医療法人が運営する「医療施設」。慢性的な症状により長期療養を必要とする要介護1以上の方に対して、医学的管理下における介護、必要な医療等を行い、併せて生活介護サービスも受けられる
●介護医療院
長期的な医療と介護のニーズに対応するための施設。高齢者を対象とした「日常的な医学管理」や「看取り・ターミナルケア」等の医療機能と「生活施設」としての機能を兼ね備える
居宅介護支援
要介護1~5の方に対し、ケアマネージャーが利用者にとって最適と考えるケアプランを作成し、ケアプランに沿ったサービスの提供が受けられるように提供事業者と連絡・調整を行う
居宅介護サービス
その他
居宅介護(介護予防)福祉用品購入費の支給
居宅介護(介護予防)住宅改修費の支給

市区町村が指定・監督を行う介護・予防給付サービス

地域密着型介護サービス
●定期巡回・随時対応型訪問介護看護
訪問介護と訪問看護が連携しながら定期巡回と随時対応を行うサービス
定期巡回サービスホームヘルパー等が定期的に利用者の居宅を訪問して身体介護や生活援助を行う
随時サービス専用通報端末や電話などを通じて、利用者やその家族等からの連絡を受けてオペレーターがサービスを手配し、ホームヘルパーや看護師等が訪問介護・訪問看護を行う
●夜間対応型訪問介護
夜間に対応した訪問介護で、定期巡回と随時対応を行うサービス
定期巡回サービスホームヘルパー等が夜間を含み定期的に利用者の居宅を訪問して身体介護や生活援助を行う
随時サービス専用通報端末や電話などを通じて、利用者やその家族等からの連絡を受けてオペレーターがサービスを手配し、ホームヘルパー等が訪問介護を行う
●認知症対応型通所介護
認知症の利用者が、特別養護老人ホームやグループホーム等に日帰りで通所して食事・排泄・入浴等の生活介護やリハビリテーション、健康状態確認などを行う
●小規模多機能型居宅介護
施設への日帰り通所を中心に、短期間の宿泊や自宅への訪問を組み合わせて日常生活上の支援やリハビリテーションを行う
●看護小規模多機能型居宅介護
施設への日帰り通所を中心に、短期間の宿泊や自宅への訪問に加え看護師等による訪問看護も組み合わせることで、介護と看護の一体的なサービスを行う
●認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
少人数(5~9名)の認知症の方を対象に、介護スタッフと共同生活を送りながら食事・排泄・入浴等の生活介護やリハビリテーション、健康状態確認などを行う
●地域密着型特定施設入居者生活介護
介護保険の指定を受けた入居定員30名未満の小規模な有料老人ホームや軽費老人ホーム等に入居した方に対して、日常生活上の支援や機能訓練を行う
●地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
入所定員30名未満の小規模な特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)に日帰りで通所して、食事・排泄・入浴等の生活介護やリハビリテーション、健康状態確認等を行う
その他
●市区町村が行う介護予防・日常生活支援総合事業

介護サービスは、大別すると「住み慣れた自宅でサービスを受ける」、「施設に通ってサービスを受ける」、「施設に入居してサービスを受けながら生活を送る」という3つに分けられます。
共通点は、要介護(介護給付)・要支援(予防給付)という身体的・精神的な状態に応じて、食事や入浴、排泄などの日常生活上の支援とリハビリテーションなどによる機能回復・維持・予防を図ることです。 様々な介護サービスが存在する中で、その時の状態にあったサービス提供を選びましょう。

参考
厚生労働省:介護保険制度の概要「介護保険とは」
厚生労働者:介護事業所・生活関連情報検索「公表されている介護サービスについて」
独立行政法人福祉医療機構:サービス一覧/サービス紹介

介護保険施設とは

介護保健施設とは、介護保険法で定められている公的な施設で、次の3種類があります。
特別養護老人ホーム
要介護3以上に認定された方が施設に入居して、介護保険の施設サービスが利用できる
介護老人保健施設
支援が必要である要介護1以上の方に対して身体機能の維持回復を図り、居宅における生活を営めるよう復帰を目指す
介護療養型医療施設
慢性的な症状により長期療養を必要とする要介護1以上の方に対して、医学的管理下における介護、必要な医療等をおこなう
さらに平成30年4月より新たに「介護医療院」が創設されました。 これは、長期にわたり療養が必要である方に対して、療養上の管理・看護・医学的管理下における介護・機能訓練・その他必要な医療ならびに日常生活の世話を行う施設です。
上記介護保険3施設における、定員に対する利用率は軒並み90%程度と高くなっています。 とりわけ、特別養護老人ホームにおいては96.9%と非常に高く、入居待ちの状態である施設が多いと言えるでしょう。
平成28年度時点での各施設の定員・利用率
平成28年度時点での
各施設の定員・利用率
施設・事業所総数 定員(1施設あたり) 利用率(定員充足率)
特別養護老人ホーム 7,707施設 68.8人 96.9%
介護老人保健施設 4,244施設 87.1人 89.9%
介護療養型医療施設 1,339施設 44.8人 90.7%
(厚生労働省『平成28年介護サービス施設・事業所調査の概況』より)
独立行政法人福祉医療機構の平成29年調査によると、特別養護老人ホームの待機者数は、1施設あたり平均117.3人、定員1名当たりの待機者は1.75人という状況でした。 一方で、前年と比べて待機者が「減少した」と回答した施設は48.8%となっています。 主な理由としては、「他施設との競合激化」(42.5%)、「要介護2以下が要件から外れたため」(37.5%)を挙げる施設が多く、全体の80%に達しています。 その一方で、1年前と比べて待機者数が「増加した」との回答は17.5%、「変わらない」が33.8%となっています。 待機者が増加した理由としては、「高齢化によるニーズの増加」が48.8%、「高齢化はみられないがニーズが増加」が35.9%と、約85%の施設では入居希望者の増加を挙げています。 このような状況下で、政府は「1億総活躍社会」と銘打ち、2020年代初頭までに約15万人に達するといわれている要介護3以上の特別養護老人ホーム待機者数を「解消する」としています。
介護保険施設の居室状況
介護保険施設の居室状況
特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 介護療養型医療施設
ユニット型個室 59.1% 15.6% 0.9%
通常個室 14.3% 29.5% 20.2%
2人室 7.9% 12.1% 17.6%
3人室 0.8% 2.1% 10.1%
4人室 17.8% 40.7% 51.1%
5人以上室 0.1% 0.1%
介護保険施設における利用者の居室は、特別養護老人ホームは利用者の日常生活の場としてのサポートが中心となっているため、個室が約73%を占めており、多人数部屋は少数に止まります。 介護老人保健施設は、在宅復帰を目指し医療機関と居宅の中間的な位置付けとなっています。
ですので、平均在所期間は約300日と他の2施設と比べて相対的に短期の利用となるため、個室は約45%、4人室は約40%となっています。
介護老人医療施設は、長期の療養が必要な方への医療機関であるため医療ケアに力点が置かれています。 よって個室は約20%と少数に止まり、4人部屋が過半を占めています。 介護保健施設は、それぞれ利用目的が定められおり、高齢化社会の進展によって各施設への期待は高まっています。
さらに平成30年4月から新たに創設された介護医療院では、実際の施設運営は始まって間もないのですが、その一翼を担うことが見込まれているでしょう。 しかしながら、公的な施設だけに頼っていられないのが現状だと思います。
老後の快適な暮らしを送るために、必要に応じて公的施設と民間施設の目的・特徴等を比較検討しながら、今後の動向にも注目していきましょう。
介護サービス施設・事業所調査の状況 イメージ図
(平成28年介護サービス施設・事業所調査の状況より)

参考
厚生労働省『平成28年介護サービス施設・事業所調査の状況』
独立行政法人福祉医療機構: 平成29年度「特別養護老人ホームの入所状況に関する調査」の結果について
首相官邸:一億層活躍社会の実現 介護離職ゼロの実現

介護保険施設と民間運営の介護施設の違い

介護保険の対象となる介護施設は、介護保険法上「介護保険施設」と「特定施設」に分類されます。
「介護保険施設」は、主に社会福祉法人・医療法人・地方公共団体などの非営利法人・団体が都道府県の認可を受けて運営しています。 一方「特定施設」は、民間の営利法人による運営と社会福祉法人・地方公共団体などによる運営の二種類があります。
介護保険施設と民間運営の介護施設の違い
介護保健施設(社会福祉法人・医療法人・地方公共団体が運営)
●特別養護老人ホーム
●老人保健施設
●介護療養型医療施設
●介護医療院
民間の特定施設(民間の営利法人が中心に運営)
●有料老人ホーム
●サービス付き高齢者向け住宅
●認知症高齢者グループホーム
公共の特定施設(社会福祉法人・地方公共団体が運営)
●ケアハウス(軽費老人ホーム)
●養護老人ホーム
次に介護保険施設と特定施設の違いについてみていきましょう。

1.入居一時金など居住時に必要なお金の有無
1.入居一時金など居住時に必要なお金の有無
介護保険施設 特定施設
入居一時金などは不要 入居一時金や敷金などの名称で数十万~数百万円以上必要になる場合が多い
2.低所得者に対する利用料の軽減制度(介護保険負担限度額認定)
介護保険施設 特定施設
介護保険負担限度額認定の手続きを市区町村の窓口で行い、年金等の収入状況が一定以下の場合は、上記施設において部屋代および食費に限度額が適用され、自己負担額が軽減される
介護サービス費等が高額になった場合は、高額介護サービス費制度の手続きをとることで、利用者本人の所得に応じた限度額に止められる
介護サービス費等が高額になった場合は、高額介護サービス費制度の手続きをとることで、利用者本人の所得に応じた限度額に止められる
3.施設の所在地による利用料等の違い
3.施設の所在地による
利用料等の違い
介護保険施設 特定施設
施設所在地などによる月額利用料の違いは比較的少ない 施設所在地などにより、家賃部分に相当する月額利用料は大きく異なることが多い
4.職員体制の違い
4.職員体制の違い
介護保険施設 特定施設
特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型医療施設の各々における比較的手厚い一定基準の元で、医師・看護・介護・その他職員の配置数が定められている 一定基準の元で介護・看護・その他職員が配置されている
介護サービス等は、利用者が外部業者と別途契約して利用する施設もある
5.設備基準の違い
5.設備基準の違い
介護保険施設 特定施設
特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型医療施設の各々において、介護・医療・機能訓練のための設備基準、生活のための設備基準が定められている 一定基準の元で生活のための設備基準および介護・機能訓練のための設備基準が定められている
介護保険施設は、要介護3以上で介護を必要とする方が利用する「特別養護老人ホーム」、在宅復帰を目指している要介護の方が利用する「介護老人保健施設」、慢性疾患などで長期療養を必要とする方が利用する「介護療養型医療施設」の3種類で、これまでご説明したとおり、それぞれの施設に特化した役割が定められている点が特徴です。
一方、特定施設は、「有料老人ホーム」においては介護型・住宅型、「サービス付き高齢者向け住宅」では高齢者にとって利便性の高い住まいなど、利用者のニーズに合わせて様々なタイプが存在しています。 また「認知症グループホーム」や「ケアハウス」においても、それぞれの特徴を生かしたサービスが提供されています。 施設選びには、各施設の特徴を知ることから始めるとともに、現在の状況のみならず、近未来の生活や将来の体調変化への備えも視野に入れながら検討することをお勧めします。

参考
厚生労働省:社保審 介護給付費分科会 参考資料3 特定施設入居者生活介護
厚生労働省:社保審 介護給付費分科会 資料4-2 施設・居住系サービスについて
お役立ちガイド