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老人ホーム・介護施設の費用料金


高齢者向けの施設や住宅の種類とその費用の違い

高齢者向けの施設や住宅には、福祉施策の観点から厚生労働省において普及を進めている「老人ホーム・その他の施設」と、住宅施策の観点から国土交通省において普及を進めている「高齢者向け賃貸住宅」に大きく分けられます。

老人ホーム等の福祉施設

対象者および施設の特徴 入居金 月額利用料の目安
特別養護老人ホーム 65歳以上の人が対象で、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においても常時の介護を受けることが困難な高齢者に対して、入所サービスを提供する施設。要介護者(要介護1以上の方)が対象。 なし 8~19万円程度
(介護状態の認定状況および収入状況により異なる)
養護老人ホーム 介護の必要がない65歳以上の高齢者で、生活保護や低所得などの経済的理由により居宅での生活が困難な人が入所の対象となり、社会復帰の促進や自立した生活を送ることができるよう必要な指導及び訓練等を行うための施設。 なし 0~最大14万円程度
(収入状況により異なる)
老人保健施設 要介護者に対し、在宅復帰を目指して、看護、医学的管理下での介護、機能訓練等の必要な医療、日常生活上の世話を行うことを目的とした施設。要介護者(要介護1以上の方)が対象 なし 7~21万円程度
(介護状態の認定状況および収入状況、多床室・個室により異なる)
ケアハウス
(軽費老人ホーム)
家庭環境、住宅事情等の理由により居宅において生活することが困難な高齢者が対象となり、比較的低額な費用で日常生活上必要な便宜を供与する施設。
ケアハウスは、生活相談、入浴サービス、食事サービスの提供を行うとともに、バリアフリー建物を主として、以下の2つのタイプがある。
● 介護サービスが不要または軽度な介護を必要とされる方向けの「自立型」
● 自立型で受けられるサービスに加えて介護サービスが受けられる「介護型」
数十万~数百万円程度
入居金がない場合には、月額利用料が高めになる
4~16万円程度
(収入状況および食事提供状況などにより異なる)
有料老人ホーム
介護付
住宅型
健康型
高齢者が対象で、入浴・排せつ・食事の介護、食事の提供、洗濯・掃除等の家事、健康管理を提供することを目的とする施設。
有料老人ホームには、
● ホームの職員が介護保険のサービスを提供する「介護付」
● ホームは介護サービスを提供せず、入居者が要介護状態となった場合は入居者自らが外部の介護サービス事業者などと契約して介護サービスを利用する「住宅型」
● ホームは介護サービスを提供せず、介護が必要となった場合には契約を解除して退去する「健康型」
に分類される。
0~1億円を超える施設もあり様々。
入居金がない場合には、月額利用料が高めになる。
加えて、保証金が必要になる施設もある。
15~50万円を超える施設もある
(提供されるサービスおよび入居金の状況により大きく異なる)
認知症高齢者
グループホーム
認知症の高齢者が、小規模な生活の場(5~9人の共同居住形態)に居住し、食事の支度、掃除、洗濯等をグループホームの職員と共同で行い、家庭的で落ち着いた雰囲気の中で生活を送ることを目的とするもの。 要支援2、要介護1~5の方が対象(要支援1は利用できない)。 数十万円程度 12~20万円程度
(介護状態の認定状況により異なる)
なお、上記の各施設の費用等には医療費は含まれておらず、主に施設等に対して支払う費用。その他にも個人支出といえる衣類や日用雑貨、教養・娯楽に関する費用など、こまごまとしたお金は必要になる。

高齢者向け賃貸住宅

対象者および施設の特徴 敷金 家賃の目安
シルバーハウジング 公営住宅やUR都市再生機構賃貸住宅などの公共賃貸住宅のうち、住宅をバリアフリー化するとともに、生活援助員(ライフサポートアドバイザー)が、生活相談や緊急時対応などのサービスを提供する。介護保険を利用した介護サービスは、別途サービス事業者と契約が必要。 敷金として家賃の2~3か月分
礼金が必要になるケースもある。
1~10万円程度
所得制限があり、部屋の広さ・間取りおよび収入状況により異なる
注)家賃のみ
サービス付き
高齢者向け住宅
原則として60歳以上のまだ介護の必要度が低い比較的元気な高齢者が中心となる施設。受けられるサービスは、『生活相談』と『安否確認』となる。その他、食事の提供や掃除・洗濯等の家事援助を受けられる施設もある。診療所・訪問看護ステーション・デイサービスセンターなどが併設されている施設もある。 敷金として家賃の2~3か月分程度が必要 5~20万円程度
立地や部屋の広さにより異なる
注)家賃のみ
注)賃貸住宅のため原則として居住関連費用のみとなるため、介護費用や医療費、食費、光熱費、その他の生活費用は別途必要となる。
このように、高齢者向けの施設や住宅は、自立して生活が可能な健常者向け、介護、医療あるいはその双方を必要とする高齢者向け、さらに高齢者のお財布の事情(収入・資産状況)などにより、多様な選択肢が存在しています。 高齢になってからの住まい選びは、元気に生活するための“肉体的な健康”、穏やかに過ごすための“精神的な健康”、それらを支えるための“サイフの健康”。この3つの健康状態に気を配りながら、安心して暮らせる自分にあった施設を選びましょう。

有料老人ホームの費用について

民間が運営する有料老人ホームは、施設から提供されるサービスなどの違いにより「介護付き」、「住宅型」、「健康型」に分類されています。
各施設の構成比は、介護付きの施設数が約39%定員数では約59%、住宅型施設数約61%定員数約41%、健康型施設数約0.2%定員数約0.2%となっています。
介護付きと住宅型の違いは、「介護付き」では、介護サービスを施設自体が提供することです。これに対し、住宅型では、施設は直接サービスを提供しませんが、提携先など外部の介護サービスを利用することが可能です。
基本的には、介護付きの施設と住宅型の施設において利用者が支払うトータルの費用に大きな違いはないようです。 有料老人ホームの費用は、立地している地域と居室の広さに伴う家賃相当額が大きな比重を占めています。
一般的なモデルケースとされる例から、それぞれ順番に見てみましょう。
有料老人ホームの費用について
介護付き又は住宅型有料老人ホーム
地方都市の中級施設の例
入居時費用
一時金 500万円
毎月の費用
家賃相当額 個室 7万円程度 居室20㎡程度
個室 10万円程度 居室30㎡程度
管理費 6万円程度 光熱費など含む
食費 6.5万円程度 1日3食、30日換算
介護サービス費 要支援1・2
要介護1~5
0.6~
2.7万円程度
自己負担1割の場合
(地域区分により異なる)
合計 要支援1・2
要介護1~5
20~
23万円程度
個室20㎡程度のケース
3大都市郊外の中級施設の例
入居時費用
一時金 200万円
毎月の費用
家賃相当額 個室 3万円程度 居室18㎡程度
管理費 9万円程度 光熱費など含む
食費 5.8万円程度 1日3食、30日換算
介護サービス費 要支援1・2
要介護1~5
0.6~
2.7万円程度
自己負担1割の場合
(地域区分により異なる)
合計 要支援1・2
要介護1~5
18~
21万円程度
3大都市郊外の中級施設の例
入居時費用
一時金 原則なし(敷金または保証金の扱いで10万円等)
毎月の費用
家賃相当額 個室 5万円程度 居室18㎡程度
管理費 9万円程度 光熱費など含む
食費 5.8万円程度 1日3食、30日換算
介護サービス費 要支援1・2
要介護1~5
0.6~
2.7万円程度
自己負担1割の場合
(地域区分により異なる)
合計 要支援1・2
要介護1~5
20~
23万円程度
3大都市郊外の安価施設の例
入居時費用
一時金 95万円
毎月の費用
家賃相当額 個室 7万円程度 居室9㎡程度(6畳程度)
管理費 3万円程度 光熱費など含む
食費 4.3万円程度 1日3食、30日換算
介護サービス費 要支援1・2
要介護1~5
0.6~
2.7万円程度
自己負担1割の場合
(地域区分により異なる)
合計 要支援1・2
要介護1~5
15~
17万円程度
大都市の高級施設の例
入居時費用
一時金 6,000万円(家賃相当額前払い扱い)
毎月の費用
家賃相当額 個室 なし 居室53㎡程度
管理費 28万円程度 光熱費など含む
食費 4万円程度 1日3食、30日換算
上乗せ介護費 9万円程度 介護保険給付基準を上回る介護職員の配置、24時間看護職員の配置
介護サービス費 要支援1・2
要介護1~5
0.6~
2.7万円程度
自己負担1割の場合
(地域区分により異なる)
合計 要支援1・2
要介護1~5
42~
44万円程度
※上記の例は、介護付き又は住宅型有料老人ホームのモデルケースです。介護サービス費の項目は、介護サービスの提供を受けた場合のモデル金額です。 介護付きの施設は介護付き施設への支払い、住宅型の場合には、外部の介護サービス提供業者へ支払うことを想定して記載しています。 各ケースの金額についてはあくまで参考金額であり、施設へ入居を検討する際には、その施設の費用を確認しましょう。
有料老人ホームの費用について
食費に関しては、今回は例示していない「超高級有料老人ホーム」を除けば、それほど大きな違いはありません。
安価施設は、居室および共有スペースを小さめに抑えることで居住者の月額負担の軽減を図っているのが特徴です。 中級施設は、一般的な年金受給額を意識してか、該当する施設数も比較的多く、入居者の月額負担が概ね20~25万円程度の範囲に収まるよう工夫しているようです。 高級施設は、まさに手厚い介護と居室スペースのみならずゆったりした共有スペースにより居住性・快適性を高めているため、費用は高額になっています。
一時金に関する各施設の共通点は、入居時に一時金を多く支払えば、毎月の家賃相当額は低額に抑えられ、一時金を少ない金額に抑えると家賃相当額が高めになることです。
介護付き有料老人ホームの特徴は、公的介護サービスを施設で提供していることから、入居直後から介護サービスが受け易く、介護費用が明示されており比較的分かり易いのが特徴です。 住宅型有料老人ホームの特徴は、介護サービスを提供していないため、費用負担は少ない点です。 必要に応じ、外部の介護サービスの提供を別途契約して利用するスタイルです。 健康型有料老人ホームの特徴は、介護が不要な方が対象であるため、介護サービス費用負担の無い方が入居する点です。 介護が必要になった際には原則として契約を解除して退去することになります。そのためなのか、施設自体はごく少数に止まります。 その他、周辺環境・駅からの距離等、様々な理由で費用は異なってきます。 なお、上記費用には介護保険適用外の介護周辺サービスや医療費は含まれておらず、主に施設等に対して支払う費用です。 また、個人支出といえる衣類や日用雑貨、教養・娯楽に関する費用等、こまごまとした日常生活費も必要になります。
資金計画を立てる際には、多少の余裕を持って検討するようにしましょう。

サービス付き高齢者向け住宅の費用について

「サービス付き高齢者向け住宅」とは、平成23年「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」の改正によって創設された登録制度です。
登録基準は、規模と設備の面では、バリアフリー構造であると共に各部屋の占有面積は25㎡以上(居間・食堂・台所・その他の住宅部分が共同で利用するのに十分な広さが確保されている場合には18㎡以上)と定められています。
また、各部屋(専有部分)には、原則として台所・水洗便所・収納設備・洗面設備・浴室が備えられていなければなりません。
サービス面では、介護関連資格や医療関連資格を持つ職員など、ケアの専門家が少なくとも日中は建物に常駐し、状況把握サービスと生活相談サービスを提供することになっています。 施設が受領できる金銭は、敷金・家賃・サービスの対価のみと定められ、権利金やその他の金銭は受領できません。 一時金として家賃・サービスの対価を前払いすることは認められますが、その場合には前払金の算定の基礎、返還に関する算定方法を明示する必要があります。
サービス付き高齢者向け住宅の費用について
サービス付き高齢者向け住宅
地方都市の例
入居時費用
敷金 家賃の2か月分
毎月の費用
家賃 専有部分の設備 4.5万円程度 占有部分19㎡程度
トイレ・洗面・収納
バス・トイレ・洗面・キッチン・収納 7.5万円程度 占有部分40㎡程度
共用設備 共用浴室・共用食堂・共用台所・ラウンジ・エレベーター等
状況把握・生活相談サービス費用 2.2万円程度
共益費 1万円程度
食費(外部委託)自炊可 利用分別途支払 30日3食利用(4.5万円程度)
光熱費 別途支払 (別途精算)
その他(施設提供・外部委託) 別途支払 介護保険サービス
その他・自費サービス
合計 7.7万円程度 占有部分19㎡程度
10.7万円程度 占有部分40㎡程度
3大都市圏の例
入居時費用
一時金 家賃の2か月分
毎月の費用
家賃 専有部分の設備 5.8万円程度 占有部分18㎡程度
トイレ・洗面・収納
バス・トイレ・洗面・キッチン・収納 12.5万円程度 占有部分36㎡程度
共用設備 共用浴室・共用食堂・共用台所・ラウンジ・エレベーター等
状況把握・生活相談サービス費用 3.2万円程度
共益費 1~3万円程度
食費(外部委託)自炊可 利用分別途支払 30日3食利用(4.8万円程度)
光熱費 別途支払 (別途精算)
その他(施設提供・外部委託) 別途支払 介護保険サービス
その他・自費サービス
合計 10.0万円程度 占有部分18㎡程度
18.7万円程度 占有部分36㎡程度
東京23区内の例
入居時費用
一時金 原則なし(敷金または保証金の扱いで10万円等)
毎月の費用
家賃 専有部分の設備 10.0万円程度 占有部分19㎡程度
トイレ・洗面・収納
バス・トイレ・洗面・キッチン・収納 20.0万円程度 占有部分37㎡程度
共用設備 共用浴室・共用食堂・共用台所・ラウンジ・エレベーター等
状況把握・生活相談サービス費用 4.5万円程度
共益費 2.5万円程度
食費(外部委託)自炊可 利用分別途支払 30日3食利用(5.0万円程度)
光熱費 別途支払 (別途精算)
その他(施設提供・外部委託) 別途支払 介護保険サービス
その他・自費サービス
合計 17.0万円程度 占有部分18㎡程度
27.0万円程度 占有部分36㎡程度
※上記はすべてモデルケースです。各ケースの金額についてはあくまで参考金額として記載しています。入居を検討する際は、その施設の費用を確認しましょう。
サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者にとって住みやすい“住まい”という位置付けであるため、賃貸住宅の家賃がベースとなり「付帯サービス(別途自費サービスを含む)を施設内で受けることが可能」という施設です。 一般的な賃貸住宅の家賃は、地方都市は比較的安価であり、都市圏、とりわけ東京23区内は高額になりがちです。 サービス付き高齢者向け住宅といえども同様の傾向は否めません。
なお、上記費用には介護保険対象サービス費用や介護保険適用外の周辺サービス、医療費は含まれておらず、主に施設等に対して支払う費用です。
賃貸住宅と同じく、食費や光熱費、衣類、日用雑貨、教養・娯楽に関する費用、その他、生活全般にかかるお金は別途必要になります。 資金計画を立てる際には、それらを見越して余裕を持って検討しましょう。

認知症高齢者グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の費用について

認知症高齢者グループホームは、認知症の利用者を対象にした専門的なケアを提供する施設です。 認知症の利用者が、可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、グループホームに入所し、家庭的な環境と地域住民との交流を行い、食事や入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練などのサービスを受けます。 グループホームでは、1つの共同生活住居に5~9人以下の少人数の利用者が、介護スタッフとともに共同生活を送ります。
入居できる方は要支援2または要介護1~5の介護認定を受け、施設の所在地と同じ市町村の居住しており、原則として共同生活を送ることができる方が対象となります。 また、要支援1の方は利用できません。
認知症高齢者グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の費用について
認知症高齢者グループホーム
地方都市の例
入居時費用
敷金 10万円
毎月の費用
賃料(個室) 4.0万円程度 10㎡程度
共用設備 共用浴室・共同洗面・共用食堂・共用トイレ・エレベーター等
管理運営費 3.0万円程度
食材費 3.1万円程度 30日3食利用の場合
光熱費 2.0万円程度
介護保険
利用者負担
要支援2
要介護1~5
2.3~2.6万円程度 介護保険1割負担の場合
(地域区分により異なる)
合計 12.1~12.3万円程度
三大都市圏の例
入居時費用
敷金 15万円
毎月の費用
賃料(個室) 3.5万円程度 10㎡程度
共用設備 共用浴室・共同洗面・共用食堂・共用トイレ・エレベーター等
管理運営費 1.8万円程度
食材費 3.5万円程度 30日3食利用の場合
光熱費 2.0万円程度
介護保険
利用者負担
要支援2
要介護1~5
2.4~2.7万円程度 介護保険1割負担の場合
合計 13.2~13.5万円程度
東京23区内の例
入居時費用
敷金 15万円
毎月の費用
賃料(個室) 7.6万円程度 11㎡程度
共用設備 共用浴室・共用食堂・共用トイレ・リビング・エレベーター等
管理運営費 1.2万円程度
食材費 4.5万円程度 30日3食利用の場合
光熱費 2.3万円程度
介護保険
利用者負担
要支援2
要介護1~5
2.4~2.7万円程度 介護保険1割負担の場合
合計 18.0~18.3万円程度
※上記はすべてモデルケースです。各ケースの金額についてはあくまで参考金額として記載しています。入居を検討する際は、その施設の費用を確認しましょう。
認知症高齢者グループホームの居室は、原則として最低7.43㎡以上(約4.5畳)の個室と定められていて、施設により異なるものの居室の広さは概ね7.5~10㎡程度になっています。
そのため、家賃に相当する賃料の違いは、居室の広さによる影響は軽微に止まり、立地による相場の違いが賃料に大きく影響する傾向がみられます。
なお、上記費用には介護保険適用外の周辺サービスや医療費は含まれておらず、主に施設等に対して支払う費用です。 衣類、日用雑貨、教養・娯楽に関する費用、その他、日常生活全般にかかるお金は別途必要になります。資金計画を立てる際には、余裕を持って検討しましょう。

ケアハウス(軽費老人ホーム)の費用について

ケアハウス(軽費老人ホーム)は、介護保険の利用者が高齢などの理由により居宅で自立した生活を送る事が困難な場合に、比較的低額な費用で利用できる施設です。 入居できる方は、原則60歳以上の方ですが、施設により65歳以上といった制限を設けているところもあります。 自治体から「特定施設入居者生活介護施設」の指定を受けている介護型施設では、入居時は自立状態の人がその後介護を必要とする状態になっても、引き続き住み続けることができます。 また、日常生活上の援助や介護を施設スタッフより受けることができます。 その一方で、介護サービスの提供を前提としていない「自立型施設」では、介護が必要になった場合には住み替え(介護サービス提供施設への転居)を検討しなければならない場合があります。
代表的な例を、それぞれ地域ごとに見てみましょう。
地方都市の例
入居時費用
保証金:管理費+事務費+生活費の3ヶ月以内 ※管理費(家賃相当)を一時金で前払い可能な施設もある
毎月の費用
管理費(賃料相当) ミニキッチン・トイレ・洗面完備 4.0万円程度 22㎡程度
共用設備 共用浴室・共同洗面・共用食堂・共用トイレ・ラウンジ・エレベーター等
事務費(施設運営費) 対象収入 事務費は、自治体より本人負担額が定められており、
左記は収入例の抜粋
150万円以下 1.0万円
200万円以下 2.5万円
250万円以下 5.0万円
生活費(食費などを含む) 約4.4万円 30日3食利用の場合
介護保険 要支援1・2 0.6~ 介護保険1割負担の場合
利用者負担 要介護1~5 2.5万円程度 (自立の場合は負担なし)
合計
自立~対象収入250万円以下の例
9.4~15.9万円程度
※別途、冬季共有部分暖房費が必要になる場合がある
3大都市(大阪府)の例
入居時費用
保証金:管理費+事務費+生活費の3ヶ月以内 ※管理費(家賃相当)を一時金で前払い可能な施設もある
毎月の費用
管理費(賃料相当) ミニキッチン・トイレ・洗面完備 2.5万円程度 22㎡程度
共用設備 共用浴室・共同洗面・共用食堂・共用トイレ・ラウンジ・エレベーター等
事務費(施設運営費) 対象収入 事務費は、自治体より本人負担額が定められており、
左記は収入例の抜粋
150万円以下 1.0万円
200万円以下 2.5万円
250万円以下 5.0万円
生活費(食費などを含む) 約4.5万円 30日3食利用の場合
介護保険
利用者負担
要支援1・2
要介護1~5
0.6~2.5万円程度 介護保険1割負担の場合(自立の場合は負担なし)
合計
自立~対象収入250万円以下の例
8.0~14.5万円程度
※別途、冬季共有部分暖房費が必要になる場合がある
東京23区内の例(都市型)
入居時費用
保証金:管理費+事務費+生活費の3ヶ月以内 ※管理費(家賃相当)を一時金で前払い可能な施設もある
毎月の費用
管理費(賃料相当) ミニキッチン・トイレ・洗面完備 4.8万円程度 8㎡程度
共用設備 共用浴室・共同洗面・共用食堂・共用トイレ・ラウンジ・エレベーター等
事務費(施設運営費) 対象収入 事務費は、自治体より本人負担額が定められており、
左記は収入例の抜粋
150万円以下 1.0万円
200万円以下 2.5万円
250万円以下 5.0万円
生活費(食費などを含む) 約4.5万円 30日3食利用の場合
介護保険
利用者負担
要支援1・2
要介護1~5
0.6~2.5万円程度 介護保険1割負担の場合(自立の場合は負担なし)
合計
自立~対象収入250万円以下の例
10.3~16.8万円程度
※別途、個室の光熱費や冬季共有部分暖房費が必要になる場合がある
自治体に申請して認められたケアハウスは、自治体からの費用補助が受けられます。 施設入居者が支払う費用は、その方の前年の年収に応じた区分により施設運営費に相当する「事務費(※1)」が定められており、食費などに相当する「生活費(※2)」も一定の負担額になるようになっています。 居室の費用は、所在地の立地や個室の面積により費用の違いが発生します。
ただし、ケアハウスの居室面積は原則として21.6㎡以上とされており、居室の費用相当額が相対的に高額となる東京都などの自治体には「都市型」と呼ばれる施設が存在します。 これは、居室の面積を7.43㎡以上と小さめに規制を緩和することで家賃相当額を低額に抑えているものです。 これらのことから、他の高齢者施設にみられる地方圏、大都市圏といった所在地による負担費用の違いは、相対的に小さくなっています。

※1 事務費の本人負担額(東京都の場合)
前年の年収 本人負担額
150万円以下 10,000円
150万円超160万円以下 13,000円
160万円超170万円以下 16,000円
170万円超180万円以下 19,000円
180万円超190万円以下 22,000円
190万円超200万円以下 25,000円
200万円超210万円以下 30,000円
210万円超220万円以下 35,000円
220万円超230万円以下 40,000円
230万円超240万円以下 45,000円
240万円超250万円以下 50,000円
250万円超260万円以下 57,000円
260万円超270万円以下 64,000円
270万円超280万円以下 71,000円
280万円超290万円以下 78,000円
290万円超300万円以下 85,000円
300万円超310万円以下 92,000円
310万円以上 全額自己負担

※2 生活費(東京都の場合)
地域 自己負担額 冬季加算額(11~3月)
甲地 46,090円 2,130円
乙地 43,700円 1,930円
現行介護保険制度の地域区分の適用地域により、甲地・乙地・その他など分類がされています。
なお、上記費用は施設等に対して支払う主な費用であり、介護保険適用外の介護周辺サービスや医療費は含まれていません。
その他にも個人支出といえる衣類や日用雑貨、教養・娯楽に関する費用など、こまごまとしたお金は必要になります。資金計画を立てる際には、多少の余裕を持って検討しましょう。

【参考】
東京都:東京都軽費老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例及び規則施行要領
東京都:軽費老人ホームのサービスの提供に要する費用補助要鋼
大阪府:軽費老人ホームについて

特別養護老人ホームの費用について

特別養護老人ホームは、地方公共団体や社会福祉法人が運営する公的な介護施設です。原則として65歳以上の要介護3・4・5の認定を受けた方が入居対象となります。 入居一時金などの費用が不要であり、毎月の利用料等も比較的低額に抑えられる点が特徴です。そのため、入居の申し込みをしても多くの施設で入居待機となっているようです。 特別養護老人ホームは、介護保険負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)制度の対象となり、低所得の方は利用料の負担が軽減されます。

居室は、以下のタイプに分かれています。

多床室

いわゆる大部屋で1部屋に2~4名分のベッドを配置

従来型個室

1部屋1名

ユニット型個室

10人程度の少人数グループがひとつの単位(ユニット)として生活。1部屋1名の個室に加え、ユニットごとにリビングなどの共有スペースを確保。職員はユニットごとに常時1名以上を配置

ユニット型準個室

「ユニット型個室」と同じサービスと設備だが個室はなく、プライバシー確保に配慮した部屋(建具などで仕切られた大部屋、カーテン等の仕切りは不可)で生活。職員は準ユニットごとに日中は1名以上、夜間・深夜は2つの準ユニットごとに1名以上を配置

多床室(4人部屋)の例
入居時費用
なし
毎月の費用
介護保険1割負担の場合
居住費 食費 介護保険 利用者負担分 1ヶ月合計(30日の場合)
要介護3 第一段階 0 約0.9万円 2.7万円程度(※2) 約3.6万円
第二段階 約1.1万円 約1.2万円 約5.0万円
第三段階 約2.0万円 約5.8万円
第四段階(※1) 2.0~4.0万円程度 4.0~5.0万円程度 8.7~11.7万円程度
要介護4 第一段階 0 約0.9万円 3.0万円程度(※2) 約3.9万円
第二段階 約1.1万円 約1.2万円 約5.3万円
第三段階 約2.0万円 約6.1万円
第四段階(※1) 2.0~4.0万円程度 4.0~5.0万円程度 9.0~12.0万円程度
要介護5 第一段階 0 約0.9万円 3.2万円程度(※2) 約4.1万円
第二段階 約1.1万円 約1.2万円 約5.5万円
第三段階 約2.0万円 約6.3万円
第四段階(※1) 2.0~4.0万円程度 4.0~5.0万円程度 9.2~12.2万円程度
従来型個室の例
入居時費用
なし
毎月の費用
介護保険1割負担の場合
居住費 食費 介護保険 利用者負担分 1ヶ月合計(30日の場合)
要介護3 第一段階 約1万円 約0.9万円 2.7万円程度(※2) 約4.6万円
第二段階 約1.3万円 約1.2万円 約5.2万円
第三段階 約2.5万円 約2.0万円 約7.2万円
第四段階(※1) 4.0~8.0万円程度 4.0~5.0万円程度 10.7~15.7万円程度
要介護4 第一段階 約1万円 約0.9万円 3.0万円程度(※2) 約4.9万円
第二段階 約1.3万円 約1.2万円 約5.5万円
第三段階 約2.5万円 約2.0万円 約7.5万円
第四段階(※1) 4.0~8.0万円程度 4.0~5.0万円程度 11.0~16.0万円程度
要介護5 第一段階 約1万円 約0.9万円 3.2万円程度(※2) 約5.1万円
第二段階 約1.3万円 約1.2万円 約5.7万円
第三段階 約2.5万円 約2.0万円 約7.7万円
第四段階(※1) 4.0~8.0万円程度 4.0~5.0万円程度 11.2~16.2万円程度
(※1)介護保険負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)の負担軽減内容
共  通預貯金等が単身で1,000万円以下、夫婦で2,000万円以下
第一段階生活保護受給者、世帯の全員が市町村税非課税で老齢福祉年金受給者等
第二段階世帯の全員が市町村税非課税で、合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額(遺族年金・障害年金)の合計が80万円以下
第三段階世帯の全員が市町村税非課税で、上記の第二段階以外
第四段階上記以外のすべての方が対象。価格は各施設が定めるため一律ではなく、施設の所在地・部屋の広さなどにより異なる
(※2)対象者のみ個別にかかる介護保険加算による自己負担の増額や介護保険制度の適用地域などの違いにより異なる
その他、ユニット型個室やユニット型準個室を備えた施設の場合、共有スペースなどの部屋代に相当する居住費が加算されます。
ユニット型施設の居住費
ユニット型個室(30日利用の場合) ユニット型準個室(30日利用の場合)
第一段階 約2.5万円 約1.5万円
第二段階
第三段階 約3.9万円 約3.9万円
第四段階(※1) 5.0~10.0万円程度 5.0~10.0万円程度
なお、施設利用者本人に収入があり所得税を納税されている場合は、施設に支払った介護サービス自己負担額・食費・居住費に相当する金額の2分の1は、医療費控除の対象(日常生活費・特別なサービス費用は対象外)となり税負担が軽減されることがあります。 該当する場合は確定申告をおこないましょう。
参考
厚生労働省:「食費・部屋代の負担軽減の見直しについて」リーフレット
厚生労働省:介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公開システム
東京都大田区:特別養護老人ホームの利用料金一覧
国税庁:医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価

介護老人保健施設の費用について

介護老人保健施設は、主に支援が必要である方の心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるように支援し復帰を目指すための施設です。 ですから、平均在所日数は、約300日と比較的短いのが特徴です。同施設を退所した後の行き先は、医療機関への入院が36.6%、家庭復帰が33.1%、その他、となっています。
平成28年9月中の在所者一人当たりの月額平均利用料(※)
要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
月額利用料 81,913円 83,890円 86,015円 88,863円 89,860円
月額利用料
要介護1 81,913円 要介護2 83,890円 要介護3 86,015円 要介護4 88,863円 要介護5 89,860円
※平均利用料は、食費・居住費・介護サービス費(自己負担分)・特別室料・特別な食費・理美容費・日用生活品費・教養娯楽費・私物の洗濯費・預かり金の管理費等を含めた合計金額です。 介護老人保健施設では、介護保険負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)制度の対象となり、低所得の方は利用料の負担が軽減されます。

多床室(4人部屋)の例
多床室(4人部屋)の例
入居時費用
なし
毎月の費用
介護保険1割負担の場合
居住費 食費 介護保険 利用者負担分 1ヶ月合計(30日の場合)
要介護1 第一段階 0 約0.9万円 2.7万円程度(※2) 約3.6万円
第二段階 約1.1万円 約1.2万円 約5.0万円
第三段階 約2.0万円 約5.8万円
第四段階(※1) 2.0~4.0万円程度 4.0~5.0万円程度 8.7~11.7万円程度
要介護2 第一段階 0 約0.9万円 2.9万円程度(※2) 約3.8万円
第二段階 約1.1万円 約1.2万円 約5.2万円
第三段階 約2.0万円 約6.0万円
第四段階(※1) 2.0~4.0万円程度 4.0~5.0万円程度 8.9~11.9万円程度
要介護3 第一段階 0 約0.9万円 3.1万円程度(※2) 約4.0万円
第二段階 約1.1万円 約1.2万円 約5.4万円
第三段階 約2.0万円 約6.2万円
第四段階(※1) 2.0~4.0万円程度 4.0~5.0万円程度 9.1~12.1万円程度
要介護4 第一段階 0 約0.9万円 3.2万円程度(※2) 約4.1万円
第二段階 約1.1万円 約1.2万円 約5.5万円
第三段階 約2.0万円 約6.3万円
第四段階(※1) 2.0~4.0万円程度 4.0~5.0万円程度 9.2~12.2万円程度
要介護5 第一段階 0 約0.9万円 3.4万円程度(※2) 約4.3万円
第二段階 約1.1万円 約1.2万円 約5.7万円
第三段階 約2.0万円 約6.5万円
第四段階(※1) 2.0~4.0万円程度 4.0~5.0万円程度 9.4~12.4万円程度


従来型個室の例
従来型個室の例
入居時費用
なし
毎月の費用
介護保険1割負担の場合
居住費 食費 介護保険 利用者負担分 1ヶ月合計(30日の場合)
要介護1 第一段階 約1.5万円 約0.9万円 2.5万円程度(※2) 約4.9万円
第二段階 約1.2万円 約5.2万円
第三段階 約3.9万円 約2.0万円 約8.4万円
第四段階(※1) 4.0~14.0万円程度 4.0~5.0万円程度 10.5~21.5万円程度
要介護2 第一段階 約1.5万円 約0.9万円 2.6万円程度(※2) 約5.0万円
第二段階 約1.2万円 約5.3万円
第三段階 約3.9万円 約2.0万円 約8.5万円
第四段階(※1) 4.0~14.0万円程度 4.0~5.0万円程度 10.6~21.6万円程度
要介護3 第一段階 約1.5万円 約0.9万円 2.8万円程度(※2) 約5.2万円
第二段階 約1.2万円 約5.5万円
第三段階 約3.9万円 約2.0万円 約8.7万円
第四段階(※1) 4.0~14.0万円程度 4.0~5.0万円程度 10.8~21.8万円程度
要介護4 第一段階 約1.5万円 約0.9万円 3.0万円程度(※2) 約5.4万円
第二段階 約1.2万円 約5.7万円
第三段階 約3.9万円 約2.0万円 約8.9万円
第四段階(※1) 4.0~14.0万円程度 4.0~5.0万円程度 11.0~22.0万円程度
要介護5 第一段階 約1.5万円 約0.9万円 3.1万円程度(※2) 約5.5万円
第二段階 約1.2万円 約5.8万円
第三段階 約3.9万円 約2.0万円 約9.0万円
第四段階(※1) 4.0~14.0万円程度 4.0~5.0万円程度 11.1~22.1万円程度
(※1)介護保険負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)の負担軽減内容
共  通預貯金等が単身で1,000万円以下、夫婦で2,000万円以下
第一段階生活保護受給者、世帯の全員が市町村税非課税で老齢福祉年金受給者等
第二段階世帯の全員が市町村税非課税で、合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額(遺族年金・障害年金)の合計が80万円以下
第三段階世帯の全員が市町村税非課税で、上記の第二段階以外
第四段階上記以外のすべての方が対象。価格は各施設が定めるため一律ではなく、特別な療養室の利用の有無や施設の所在地・部屋の広さなどにより異なる
(※2)対象者のみ個別にかかる介護保険加算による自己負担の増額や介護保険制度の適用地域などの違いにより異なる
その他、ユニット型個室やユニット型準個室を備えた施設の場合、リビングなどの共有スペースが確保され、部屋代に相当する居住費が加算されますので、自己負担額が増加します。
ユニット型施設の居住費
ユニット型個室(30日利用の場合) ユニット型準個室(30日利用の場合)
第一段階 約2.5万円 約1.5万円
第二段階
第三段階 約3.9万円 約3.9万円
第四段階(※1) 5.0~18.0万円程度 5.0~18.0万円程度
なお、施設利用者本人に収入があり所得税を納税されている方は、介護老人保健施設のサービス計画に基づき主治医がサービスを受ける必要があると認めた場合、施設サービス費の関わる自己負担額は、医療費控除の対象となり税負担が軽減されることがあります。 該当する場合は確定申告をおこないましょう。
(※)厚生労働省:平成28年介護サービス施設・事業所調査の概況「5 介護保険施設の利用者の状況」


参考
厚生労働省:社保審 介護給付費分科会 第144回参考資料2
厚生労働省:「食費・部屋代の負担軽減の見直しについて」リーフレット
国税庁:介護老人保健施設の施設サービス費

介護療養型医療施設の費用について

介護療養型医療施設は、病院や診療所などの医療法人が運営する「医療施設」です。この施設では、慢性的な症状により長期療養を必要とする要介護1以上の方に対して、医学的管理下における介護や、必要な医療等をおこないます。 そのため、高齢者向け施設の中では最も手厚い医療ケアが受けられますが、生活援助サービスに大きな期待はできず、どちらかというと「入院」というイメージに近いと思います。 平成30年4月より「介護医療院」が創設されることになりました。この介護医療院は、高齢者を対象とした長期的な医療と介護のニーズに対応するため、「日常的な医学管理」や「看取り、ターミナルケア」等の医療機能と「生活施設」としての機能とを兼ね備えています。
前述の介護療養型医療施設は、介護医療院に近い位置付けとなります。よって、平成30年4月から6年間の期間で、介護療養型医療施設から介護医療院への転換を促すなどの経過措置を経て廃止となる予定です。 ですから、今後数年間の間に、介護療養型医療施設は介護医療院への転換が図られる可能性がありますが、介護医療院は創設からまだ日が浅く件数も少ないのが現状です。 そこで、費用については現在存在する介護療養型医療施設の費用を参考に記載します。
介護療養型医療施設に入所した場合の費用は、介護サービス費+医療費+部屋代+食費+介護保険適用外サービスの個人負担(日用品・理美容代・娯楽費・その他)となります。 利用料は、入居時の費用は不要です。 月額の利用料は介護認定状態やその方の所得水準、その他により異なりますが、基本的な月額利用料は多床室利用で概ね月額10万円前後と比較的低額に止まります。
介護サービス費(自己負担1割の場合)
多床室(4人部屋)の例
自己負担額(30日の場合)
要介護1 2.4万円程度
要介護2 2.6万円程度
要介護3 2.9万円程度
要介護4 3.1万円程度
要介護5 3.4万円程度
※対象者のみ個別にかかる介護保険加算による自己負担の増額や介護保険制度の適用地域などの違いにより異なります。

個室の例
自己負担額(30日の場合)
要介護1 2.2万円程度
要介護2 2.4万円程度
要介護3 2.7万円程度
要介護4 2.9万円程度
要介護5 3.1万円程度
※対象者のみ個別にかかる介護保険加算による自己負担の増額や介護保険制度の適用地域などの違いにより異なります。

医療費
介護療養型医療施設では、指導管理や理学療法・作業療法を用いたリハビリテーションなど、日常的に必要な特定医療に対して利用分に応じた医療費が必要になります。 なお、健康保険を利用した検査・処置・注射・投薬などの医療サービスを受けた場合は別途医療費が必要になります。
部屋代・食費
部屋代(第四段階に該当) 食費
多床室(4人部屋) 1.0~2.0万円程度 4.0~5.0万円程度
個室 5~12万円程度
介護療養型医療施設では、4人部屋が基本となっている施設が多く、個室は「他の利用者との共同居室に支障(痴呆・感染症など)があるなど」の場合に利用されることが多いようです。 低所得の方は、介護保険負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)制度の対象となり、利用料の負担が一定の限度額に軽減されます。

(※)利用者限度額
共  通預貯金等が単身で1,000万円以下、夫婦で2,000万円以下
第一段階生活保護受給者、世帯の全員が市町村税非課税で老齢福祉年金受給者等
第二段階世帯の全員が市町村税非課税で、合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額(遺族年金・障害年金)の合計が80万円以下
第三段階世帯の全員が市町村税非課税で、上記の第二段階以外の方
第四段階上記以外の方
個室 4人部屋
第一段階 部屋代(30日分) 9,600円 0円
食費(30日分) 9,000円
第二段階 部屋代(30日分) 12,600円 11,100円
食費(30日分) 11,700円
第三段階 部屋代(30日分) 24,600円 11,100円
食費(30日分) 19,500円
第四段階 部屋代(30日分) 負担限度額なし(各施設の定めた利用料金となる)
食費(30日分) 負担限度額なし(各施設の定めた利用料金となる)
介護保険適用外サービスの個人負担
個人的な飲食、日用品、理美容代、洗濯代、娯楽費など。 その他施設によって別途必要になる費用として、水道・光熱費やおむつ代、病衣・肌着・タオル等レンタル料など。
高額介護サービス費について
1ヶ月間に支払った介護サービス費と特定診療費の合計額が、一定の限度額を超えた場合市区町村役場で申請をすれば、限度額を超えた金額が還付金として戻ってきます。
対象となる方 月額の負担上限
現役並み所得者に相当する方がいる世帯の方 44,400円(世帯)
世帯のどなたかが、市町村民税を課税されている方
世帯の全員が市町村民税を課税されていない方 24,600円(世帯)
世帯の全員が市町村民税を課税されていない方で、前年の合計所得金額と公的年金の収入の合計が年間80万円以下の方等 24,600円(世帯)
15,000円(個人)
生活保護を受給されている方 15,000円(個人)
詳しくは、お住まいの市区町村役場にお問い合わせください。

なお、施設利用者本人に収入があり所得税を納税されている方は、介護療養型医療施設における施設サービス費(介護・食費・居住費)として支払った額は、医療費控除の対象となり税負担が軽減されることがあります。 該当する場合は確定申告をおこないましょう。

参考
厚生労働省:介護医療院について
厚生労働省:介護療養病床・介護医療院のこれまでの経緯
厚生労働省:「食費・部屋代の負担軽減の見直しについて」リーフレット
厚生労働省:「平成29年8月から 月々の負担の上限(高額介護サービス費の基準)が変わります」リーフレット
国税庁:医療費控除の対象となる介護保健制度下での施設サービスの対価

要介護度や期待するサービスにより異なる入居可能な老人ホーム・介護施設

介護保険3施設(特別養護老人ホーム・老人保健施設・介護療養型医療施設)等の公的な施設では、介護保険の認定に応じて要件が定められています。 一方、有料老人ホーム等の民間施設では、施設の運営方針等により入居時の介護認定の有無や要介護度に応じた入居基準を設けており、ある程度柔軟に対応しています。

下記はそれぞれを比較した一覧表です。
公的介護保険施設
自立 認知症 要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
特別養護
老人ホーム
× × × × ×
老人保健施設 × × ×
介護療養型
医療施設
× × ×
公的福祉施設
ケアハウス
(軽費老人ホーム)
× ×
認知症高齢者
グループホーム
× ×
民間施設
介護付き
有料老人ホーム
住宅型
有料老人ホーム
健康型
有料老人ホーム
× × × × × × × ×
サービス付き
高齢者向け住宅
対応可能  施設により対応が異なる  ×対応しない

高齢者向けの施設は、年齢により入居の可否が問われる場合があります。 また、介護ケア・医療ケアなどの提供に関して様々な違いもありますので、次の表で各施設の特徴、注意点を確認しておきましょう。
公的介護保険施設
年齢 特徴 注意点
介護ケア 医療ケア
特別養護老人ホーム 65歳以上 入居待機施設が多数あり、申し込みから数ヶ月~1年以上待機となるケースもある
老人保健施設 原則65歳以上 自宅復帰を目指す施設のため、入所期間は数ヶ月~1年以内となり、終身利用を想定していない
介護療養型医療施設 原則65歳以上 長期療養型を想定、将来は同名称の施設は廃止予定。その受け皿として介護医療院が創設された
公的福祉施設
ケアハウス
(軽費老人ホーム)
原則60歳以上 介護を受ける場合には、指定事業者等と別途介護保険サービスの契約を締結する必要がある
× × 入居後に介護が必要となった場合は、介護サービス提供施設への転居が求められる場合がある
認知症高齢者
グループホーム
65歳以上 × 原則として、居住地域のホームにしか入居できない。そのため、地域によっては入居待ちが年単位のケースもある
民間施設
介護付き
有料老人ホーム
原則60歳以上施設により異なる 高級路線や医療体制が充実している等、付加価値を高めている施設もあるが、公的介護保険施設等と比較すると、入居一時金が高額な場合が多い。また月額利用料も高額になりがち
住宅型
有料老人ホーム
公的介護保険施設等と比較すると、入居一時金が高額な場合もあり、月額利用料も高額になりがち。また、介護サービスは形式上在宅介護サービス扱いとなり、介護保険の利用上限額を超えてしまう場合がある
健康型
有料老人ホーム
× × 全国的に施設数は少ないが、イベントやレクリエーション等は充実している施設が多い。入居後介護が必要になった場合は介護サービス提供施設等への転居が求められる
サービス付き
高齢者向け住宅
特に入居年齢制限はない 高齢者が「住みやすい」というコンセプトの住宅であるため、介護を受ける場合には、指定事業者等と別途介護保険サービスの契約を締結する必要がある。また、サービスを利用しなくても生活相談サービス費用がかかる
非常に充実しており、ほとんどの施設または提携でサービスを提供している
充実しており、多くの施設または提携でサービスを提供している
施設によりサービス提供の有無やサービス体制は異なる
×サービス提供がない場合もあり、内容も充実していない場合がある

高齢者向け施設を選ぶ際は、入居時の一時金や月額利用料など費用面の調査と共に、生活サポート体制、介護の必要性、医療ケアの充実度など、多様な特徴を理解し、入居条件に該当するかどうかを確認した上で、自分にあった施設を選択することが大切です。

参考
厚生労働省:政策レポート 1 高齢化社会と高齢者の住まい

月額利用料の具体的な内訳について

高齢者向け施設の検討にあたり、公的施設・民間施設を問わず避けて通れないのが「利用料」です。 この利用料は、入居時に比較的まとまった金額を支払う「一時金」と、毎月施設に支払う家賃・食費・介護保険自己負担分・その他「利用料」に大別されます。
公的介護保険施設(特別養護老人ホーム・老人保健施設・介護療養型医療施設・医療介護院)においては、入居時の一時金は不要となっていますが、そのほかの多くの施設では、保証金や敷金、入居一時金など様々な名目で入居時費用が必要になります。
月額の利用料の内訳
月額の利用料の内訳
居住費
すべての高齢者向け施設において居住費(いわゆる家賃)は必要になります。
利用居室個室 or 複数人数(4人部屋等)
利用居室広さ・設備(バス・トイレ・簡易キッチン・その他の有無)
共有施設リビング・食堂・その他設備の有無
共有施設広さ・充実度など

他にも施設の所在地(大都市・地方都市など)によって居住費は変わります。 なかには、居住費に電気代等「光熱費」が含まれる場合や、別項目で光熱費を徴収する施設もあります。 なお、有料老人ホーム等では、入居時に支払った一時金を「前払い家賃」という位置付けで受領する施設もあります。 その分、入居時一時金を支払っていない(あるいは少額)場合と比べて、月額居住費は安価になります。
食費
食事はほとんどの施設で提供されます。多くの施設において食費は月額で設定されておらず、朝食・昼食・夕食の提供を受けた回数に合わせて料金を支払うシステムになっています。 そのため、外食や自炊(居室に簡易キッチンが備え付けられている施設など)などをして、施設内で提供される食事サービスを受けなかった分は、施設に支払う食費から差し引かれる仕組みです。 朝・昼・夕の食事代は、たいていの施設で毎食定額となっていますが、誕生日やお正月など特別な日に提供されることがある特別食は、追加料金が発生します。また、1日3食以外に“おやつ”を希望すると別途「おやつ代」もかかります。
介護サービス費
介護保険の介護サービスを提供している施設では、利用者の介護認定(要支援・要介護)状況に応じた入浴や排泄・食事の介助などの施設介護サービスを利用することができます。 介護保険を使った施設介護サービス費は、原則として1割(所得によっては2割または3割※)を自己負担分としてサービスの提供を受けた施設に支払います。 また、介護保険法で定められた介護・看護職員の配置人数を上回る手厚い介護・看護体制を整えている施設では、「上乗せ介護費」として自己負担1割(所得によっては2割または3割※)が必要になる場合があります。 一方、介護サービス等を施設で提供しない、または一部の提供に止まるため、利用者が提携介護事業者など外部の介護サービスを別途契約して利用する、という施設もあります。
管理費・運営費等
施設によっては、「管理費」や「運営費」等の名目で利用料を徴収する場合があります。 これらの費用は、その施設の事務経費や人件費、共用施設の維持管理費(居室の光熱費など)、レクリエーションのための費用等に充当されることもあります。

このほかにも、利用者が必要とする日常生活費と呼べる支出が発生します。具体的には以下の通りです。
・被服、履物費
・日用雑貨など(オムツ代、洗剤、石鹸、歯ブラシ、その他)
・理美容代
・交通費、通信費
・教養、娯楽費、冠婚葬祭費
・健康・介護保険料、所得税、住民税
・その他
上記に加えて、疾病やケガなどの治療・投薬などにかかる医療費についても別途必要となります。

介護施設の月額利用料は、公的介護保険施設・公的福祉施設・民間施設などそれぞれの形態により施設に支払う内容は一律ではありません。 とはいえ、施設に支払う利用料の中に「何が含まれる」「何が含まれない」という情報を整理して、利用者が生活・介護・医療・その他に必要な月額費用を知ることは大切だと思います。

※介護保険3割負担は、平成30年8月より施行予定
厚生労働省:1、介護保険制度の見直しについてP30
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